なぜ、同じ歯磨き粉を10年使い続けているのか

最初に好きになった理由は、うまく説明できない。
でも、気づけば10年、同じものを使い続けている。

クリアなガラスのコップに透明感のある朝の光が差し込む様子。10年使い続けるDavidsの歯磨き粉がある丁寧な朝の暮らしをイメージしたビジュアル。

理由のない違和感

はじめて手に取ったのは、ロサンゼルスの小さなセレクトショップだった。
オーガニックのスキンケアやメイクが並ぶ、広くはない空間。
日本ではまだ見たことのないブランドばかりで、少しわくわくしていた。
その中で、ひとつだけ、静かに目に入ってきたものがあった。
マットな質感のブルーグリーンの箱。
余白のあるロゴ。
アルミのチューブ。
派手ではないのに、なぜか手に取っていた。
スタッフが「これ、すごくいいよ」と言った。
全成分をざっと見て、たしかに悪くなさそうだと思った。
でも、そのときの判断は、それだけではなかった気がする。

「これだ」と思った瞬間

ホテルの洗面台で歯ブラシを使う様子。10年前に旅先のホテルで初めてDavidsの歯磨き粉に出会った記憶を想起させるイメージ写真。Minimal hotel bathroom with natural oral care products, expressing quiet travel rituals and mindful self-care

ホテルに戻って、はじめて使った。
ミントの香りが、思っていたよりもずっと自然で、心地よかった。
強くないのに、ちゃんと爽やかで、すっと抜けていく。
泡立ちは控えめで、
ペーストはなめらかで、ざらつきがない。
ナチュラルな歯磨き粉に感じることのある、少しの我慢や違和感が、どこにもなかった。
磨き終わったあと、 口の中に何も残らないのに、きちんと整っている。
「あ、これだ」と思った。
理由はうまく言えなかったけれど、
その感覚だけは、はっきりしていた。

問いに対して、まっすぐ返ってくること

カリフォルニア州テメキュラにある、創設初期のDavids(デイヴィッズ)のオフィス。ブランドの原点と歴史を感じさせる風景。
カリフォルニア州テメキュラ。2018年、まだ小さかった頃のDavidsのオフィス。規模は変わっても、ものづくりの感覚は、いまも静かに続いている。

そのあと、このブランドのことを、少しずつ知るようになった。
創業者の Eric に会い、
成分について、かなり細かく質問をした。
正直、そこまで聞く必要があるのか、と思うようなことも含めて。

けれど、どんな問いに対しても、
その場で、まっすぐに答えが返ってきた。
必要なデータだけ、あとから共有される。
そのやりとりが、とても自然で、安心できた。

見えていることが、そのまま重なる

工場にも足を運んだ。

これまでいろいろな現場を見てきたけれど、Davids の製造環境は、少し特別だった。

整然としていて、
どこを見ても、きちんと整えられている。

空気まで含めて、迷いがないように感じた。
見てきたことと、聞いてきたことが、そのまま重なった。

それで、もう十分だと思った。

小さくつくられていたころ

ブランドのはじまりは、もっと小さかった。

チューブへの充填も、
アルミチューブを閉じる工程も、
箱の組み立ても、すべて手作業だった。

その場にいて、その様子を見たし、
自分でもいくつか手伝ったことがある。

いまは規模が広がり、機械化された工程もある。
けれど、ものづくりの重心は、変わっていない。

感覚には、理由がある

Davidsの歯磨き粉ペーストの質感。天然由来の成分や、歯を傷つけない優しい研磨剤のクオリティを説明するメイン画像。Natural toothpaste texture and oral care ingredients representing product formulation, ingredient transparency, and thoughtful design

あるとき、研磨剤の話をした。

日本では、炭酸カルシウム=歯に強すぎる、
というイメージで語られることがある。
それが気になって聞いてみた。
Eric は、少しも迷わずこう言った。
「何も削らないのは、意味がない。
でも、エナメル質を傷つけずに、汚れを落とすことはできる」

同じ成分でも、
粒子の形や大きさ、全体のバランスで、
まったく違うものになる。

成分だけでなく、
ペースト全体としての硬さやなめらかさも、
数値として確かめながら整えていると聞いたとき、
少し驚いた。

そして、その話は、
使ったときのあのなめらかさと、きれいにつながった。

あとから、言葉になる

はじめは歯磨き粉ひとつだけだった。
いまは、トータルオーラルケアのブランドになっている。
けれど、その最初の一本は、いまも変わらず残っている。

ナノハイドロキシアパタイトは、
最初からあったものではない。
あとから、このシリーズが加わった。
何かが変わったというより、
もともとの考え方の延長にあるものだと感じた。

新しい要素が加わっても、
違和感がない。

それはたぶん、
どこを基準にしているかが、変わっていないからだと思う。

選び直さなくていいということ

10年使い続けている。
その間に、いろいろなものを試してきた。
仕事でもあり、半分は趣味のようなものでもある。
それでも、これ以上のものに出会ったことはない。

理由を考えようとすると、
いくつも言葉は出てくる。
けれど、どれも少し違う気がする。

たぶん、
「疑わなくていい」ということなのだと思う。

新しい製品が出ても、疑わない。
けれど、確認はする。
そして、いつも思った通りの答えが返ってくる。

どこで届けるか、という話

Davidsの故郷であるカリフォルニア州テメキュラの上空からの空撮風景。自然豊かな環境から生まれるサステナブルなブランド背景を表現。
テメキュラ上空。早朝、朝日が出たばかりの空。気球から見える景色と、届け方を考えるという静かな視点。

Eric と会うと、いまでも少し未来の話をする。
ワインを飲みながら。
ときには、テメキュラの景色を空から見ながら。

広げたい、という話はするけれど、
それは規模の話ではない。

きちんと伝わる場所で、届けたいという話だ。
その感覚が、好きだと思う。

きちんとつくられている、ということ

Davidsの歯磨き粉と歯ブラシが並ぶ洗面台の風景。10年間変わらずに日常のルーティンとして愛用し続けている理由を象徴するまとめのイメージ。

プレミアム、という言葉はたしかに近い。

けれどそれは、特別であるという意味ではなくて、
きちんとつくられている、ということに近い。

成分の質も、設計も、
そして、それが使い心地としてきちんと現れていること。

ナチュラルだから仕方ない、という妥協がない。
ちゃんと機能して、
そのうえで、気持ちがいい。

これがなかったら、正直、困ると思う。
代わりが思いつかない。

長く使っている理由を、ひとつだけ挙げるなら。
気持ちいいから。

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